エンジンオイルの種類

鉱物油か合成油か

エンジンオイル

化学合成油

数種類あるエンジンオイルの中でも化学合成油は比較的高性能を誇る部類に属する高品質なオイルなので、「わたしの愛車にはぜひこれでお願いします」とリクエストされた経験も整備士を長くやっている人なら何度かあるかもしれません。 ただし性能が良い分高価なので、月に数回オイル交換するような人が毎回このオイルを使用するのは経済的に大きな負担となり、そのしわ寄せが食生活にまで影響するので車検時の整備など特別な場合にだけ化学合成油のエンジンオイルを使う人の方が使用者の割合としては多いかもしれません。 このオイルは鉱物油を化学分解しており、エンジン洗浄と地球の環境を考えた添加剤を化学合成させているので自動車にとても優しい良質なオイルです。 洗浄効果も高くて劣化しにくく、低温でも滑らかにエンジンをいたわってくれますし安定した働きが期待できる、キング・オブ・エンジンオイルです。 ただし効果が大きい分高価なのが玉に瑕なので、常用するか3回に1回だけ使うか、お正月だけ使うかなど投入する場面を選ぶ人もいそうです。

鉱物油

鉱物油は原油から精製されたもので、一般的に普及しているベースオイルです。 オイルの性能は原油の質にも影響され、分子量もバラバラで一定に揃っていないため組成が破壊されやすいという欠点を持っていますが値段は安いです。 3種類のベースオイルの中で最も低価格なので、車検で大きな出費が痛いのならこの鉱物油のエンジンオイルを選択すればお財布のダメージを少しは和らげることが出来るでしょうが、総額からしたらほんのわずかでしょう。 10万円近くの出費となる車検でエンジンオイルの数千円がそこまで大きく影響するわけもなく、たいして節約できることもないのですが気分的に少しでもお得感を味わいたいのならその役目を果たしてはくれるはずです。 しかし安いといえどレースなど高負荷走行をしないなら充分な性能で、たまに高速道路を走行したり隣の県までのんびりドライブしたり、スーパーまで夕飯のお買い物をしに出掛ける程度の使い方をする自動車ならこれで全く問題ありません。

部分合成油

自動車整備に詳しい人なら部分合成油の存在を知ってるとしても不思議ではありません。 これは鉱物油と化学合成油のブレンドで、部分的に化学合成油が使われていることからこの様な名前が付けられているエンジンオイルです。 合成油は2~3割の割合でブレンドされており、鉱物油よりも高品質かつ高価ですが完璧な100%化学合成油よりは安価ですのでお求めやすいと評判です。 だいたい普通の乗用車に化学合成油を使用する必要はなく、レーシングカーとかスポーツカーのエンジンのような過酷な環境でなければ化学合成油が持つ性能をフルに発揮するチャンスはやってきません。 コンビニや歯医者さんまで歌を歌いながら一般道を走行する分には部分合成油でも化学合成油でも体感できるほどの性能差はないのです。 なので愛車を大事にしたいとお考えなら化学合成油ではなく部分合成油を使うことも、ユーザーの負担も少ないので無理せず長く乗車し続けるコツかもしれません。